【第11回】ほかに初診日となりそうな日はありませんか?


人工透析を受けていらっしゃる方からお問い合わせがありました。

「周りの人工透析を受けている人は障害年金を受給している。自分も受給できるはず」

そう考え、年金事務所へ行かれたそうです。

ところが、窓口職員から『保険料を納めていない期間があるから受給できない』と言われたとのこと。

状況をお聞きすると、初診日(人工透析と関連のある病気で初めて医療機関を受診した日)の時点では、すでに今の会社で働いていたとのこと。

お手元に雇用保険資格確認通知書があり、資格取得日には初診日の1年以上前の日付が入っていると言われました。

そして、厚生年金にも加入しているとのこと。

一瞬、あれ?年金の請求できそうだけど・・・と思いました。

厚生年金に加入中ならば、お給料から保険料が天引きされているから未納の問題は起こらないし、初診日の前日の時点で一定期間納めていれば請求できるからです。

そこで、今までの厚生年金の加入歴をお聞きしてみました。

年金事務所から渡された資料を読んでもらったところ、疑問が解消しました。

初診日の時点では、厚生年金に加入されておらず国民年金でした。

最初の1年数か月間はアルバイトで勤務、雇用形態が変わり、途中から厚生年金に加入したようです。

雇用保険と厚生年金は制度が違うので、雇用保険に加入していても厚生年金には加入していないケースもあります。

したがって、ご自身で国民年金の保険料を納めるか免除の申請をしていなかったため、申請できないのです。

あきらめきれない。何か方法はないかとおっしゃるので、初診日はもっと過去にありませんか?と記憶をたどっていただいたところ、遠方の病院を受診したことがあるとのこと。

もしその医療機関にカルテが残っていて初診日を特定できれば、申請の可能性は出てくるかもしれません。

ただ、もう20年以上前なのでカルテがない可能性も高いですし、仮に初診日が特定できても、やはりその時点で保険料納付要件がクリアできていることが条件となりますが・・・

そのように、ご相談者にはお答えしました。

人工透析を受けていらっしゃれば、2級の障害年金が支給されます。

初診日が判明して、納付要件もOKで無事請求できればいいなーと祈りつつ電話を切りました。

当オフィスはうつ病や発達障害などの精神疾患専門で請求サポートのお手伝いをしているため、基本的にはそれ以外の傷病でのお問い合わせには対応しておりません。

ただ、何とか申請の道を探ってほしく、対応させていただきました。

いずれにしても、年金の保険料はきちんと納めるか免除の申請をすることです。

ご自身を守ることにつながりますから。

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