事例35【自閉スペクトラム症・注意欠如多動症・うつ状態】障害基礎年金2級で認定された事例

概要

病名:自閉スペクトラム症・注意欠如多動症・うつ状態

年代・性別:40代・女性

決定した年金:障害基礎年金2級

年金額:約80万円

相談のきっかけ

ご主人様よりメールをいただきました。

過去に受診していた精神科が閉院していて初診証明が難しいとのご相談でした。

当オフィスの対応

ご本人様を交えて面談させていただきました。

すでに年金事務所に相談に行かれていましたが、初診日の時点では保険料納付要件を満たせない事が発覚。

社会的治癒で請求できないかとのご相談でした。

社会的治癒とは、精神科や心療内科を受診していたものの、体調が回復して数年間まったく受診せず日常生活や就労に支障がなければ、体調が悪化して再度受診を再開した日を初診日とする考え方です。

再度受診した日を初診日とすると、保険料納付要件は問題なく満たせます。

懸念点として、生来性である発達障害関連の診断名でしたので、社会的治癒の理屈がなじまないのではと思いました。

しかし、診断名に「うつ状態」も併記されていましたので、これを拠り所に請求の準備を進めることにしました。

社会的治癒の期間は、元気に就労や日常生活が送れていたことを証明しなければなりません。

幸いなことに、ご依頼者様から様々な物的資料を提供いただくことができ、裏付けとなる参考資料を作成することができました。

診断書や病歴・就労状況等申立書の内容にも細心の注意を払って請求に移行しました。

審査の結果

障害基礎年金2級(次回の更新年:令和6年11月)で認定されました。

コメント

社会的治癒の案件を取り扱うのは初めてでしたので、各種の文献などを参考に慎重に請求方針を組み立てました。

社会的治癒は言葉だけで主張しても真実性に欠けますので、物的証拠などを駆使して元気に社会生活を送っていたことをアピールしなければなりません。

弊所としても、いただいた資料を見させていただき、「これで社会的治癒が認められなかったら、いったいどのようなケースなら認められるのか」と感じるほどでした。

受給決定のご連絡をいただいた時は本当に安堵しました。

ご本人様やご家族だけでお手続きを進めるのは困難な案件だと改めて思い、弊所にご相談いただけて良かったです。

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