精神疾患の請求で障害年金をもらうのが難しいってホント?

厚生労働省がまとめた2019年度の統計によると、障害の種類や部位によって障害年金の支給割合に格差が生じていることが明らかになりました。

身体や視覚・聴覚障害での請求は年金の支給が認められやすい一方、精神疾患での請求は年金の支給が認められにくい状況があるというのです。

その理由として、身体や視覚・聴覚障害は検査数値などで判定基準が明確ですが、精神疾患は日常生活能力といった数値では表しにくいあいまいな基準で判定されることが背景にあると思われます。

障害年金の請求にあたっては、主治医の診断書が必要となります。

検査数値で判定できる障害は医師による判断基準がぶれることはほぼありませんが、精神疾患は同じ症状でも医師が違えば診断名が異なることは普通にありえます。

したがって、医師の主観により判断基準がぶれる可能性が非常に高いのです。

精神疾患による障害年金の請求をするうえで最も重要な点は、主治医にあなたの日常生活能力の実態や就労状況を正確に診断書に書いてもらうことです。

しかしながら、短い診察時間であなたの日常生活能力の実態や就労状況を細かく把握できている医師はどれだけいるでしょうか。

「食事はできていますか」という医師の質問に対して、「食べられています」とあなたが答えると、医師は一日三食きちんと食事ができているものととらえてしまいがちです。

実際は、一日一食しか食べていなかったり、栄養バランスを考えず同じ物ばかりを食べたりしている場合であってもです。

その結果、まさに主治医の主観で診断書が作成されてしまうため、日常生活能力の実態よりも軽い内容の診断書が出来上がることも頻繁にあるのです。

精神疾患による障害年金の請求をあなたご自身ですることはもちろん可能です。

しかし、あいまいな知識しかないまま不正確な情報を信じて日常生活能力の実態にそぐわない診断書を不用意に提出してしまうと、年金がもらえない可能性が圧倒的に高くなります。

請求に不安がある場合は、精神疾患専門の社会保険労務士に相談しましょう。

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