軽度知的障害による障害年金請求のコツ

 軽度(知能指数が51~70)の知的障害で障害年金を請求する場合は、いくつかの注意点があります。

 通常、軽度の知的障害だけでは服薬の必要がないため定期的に通院をしていない場合がほとんどです。

そのため、障害年金を請求したい場合に診断書を作成してくれる医療機関を探すのに苦労することがあります。

 そのような時は、初診時に「障害年金の請求をしたい。診断書を作成してもらえますか」と単刀直入に医師にお聞きするのが良いでしょう。

 すべての医師が障害年金の制度に詳しいわけではありません。軽度の知的障害が障害年金の対象となることを知らず、「国の審査で認められないから、診断書は作成できない」という医師もいます。

 例えば、成人してから知的障害と診断された場合です。この場合、障害年金の請求は当然にできるのですが・・・

 「療育手帳を持っていない」「特別支援学級に在籍したことがない」「短大を卒業している」などといった理由で診断書の作成を拒否します。

 医師は、患者から診断書の作成を求められた場合は、正当な理由がない限りその依頼を拒むことができないと医師法で定められています。

しかしながら、誤った思い込みから診断書の作成に応じてくれないのです。

 このような時は、強引に診断書の作成をお願いしても国の審査に耐えうる診断書が作成される可能性が極めて低いため、担当医の交代を申し出るか転院することを検討します。

 信頼できる医師に日常生活の実態を正しく伝えることにより、適切な診断書を作成してもらうことが、障害年金を受け取るためには非常に重要です。

 また、診断書と「病歴・就労状況等申立書」との整合性にも注意が必要です。同じ項目なのに、診断書では「できる」申立書では「できない」と記入されていると、診断書を審査する認定医に不信感を与えてしまいます。

 近年、軽度知的障害での請求は不支給となりやすい傾向にあります。

 ご自身やご家族だけで請求手続きを行うのは困難な場合もあります。障害年金専門の社会保険労務士へのご相談をお勧めします。

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