事例1【うつ病】障害厚生年金2級で認定された事例 

 

概要

病名:うつ病

年代・性別:50代 男性

決定した年金:障害厚生年金2級

年金額:116万円

相談のきっかけ

重度のうつ病で就労できず、日常生活にも支障が出ている状況でした。

障害年金を受給している知人がおり、社会保険労務士にサポートを依頼したことを知りました。

自力での請求は困難と考え、ホームページを見てお問い合わせをいただきました。

当オフィスの対応

ご指定いただいたファミリーレストランで、約2時間30分面談をしました。

現在は、障害認定日(障害の状態を定める日のことで、初診日から1年6か月を経過した日)の医療機関とは別の医療機関に通院中でしたが、障害認定日請求(過去にさかのぼっての請求)も視野に入れて手続きを進める方針を確認しました。

初診日と障害認定日の医療機関は同一でした。医療機関に診断書の作成を依頼したところ、障害認定日時点での診療録(カルテ)は改善傾向のため治癒状態となっており、その直後には終診していました。

このため障害認定日請求は断念することとし、事後重症請求(現在から未来に向けての請求)に方針を切り替えました。

したがって、受診状況等証明書(初診日がいつなのかを特定する証明書)の作成のみを依頼しました。

その後、通院中の医療機関に受診状況等証明書の写しと日常生活状況等を詳細に記載した参考資料を添えて、診断書の作成を依頼しました。

思いがけず1週間もしないうちに作成していただきました。ちょうど月の下旬に差し掛かっていました。事後重症請求ですので、請求書類の提出が月を跨ぐと受給開始も1か月分遅れてしまいます。

最優先で病歴・就労状況等申立書を作成し、お客様の確認を経て書類一式を年金事務所に持参しようとしました。

ところが、年金事務所の予約が月末までに確保できず、やむを得ず郵送で年金事務所に送りました。そのため、なんとか月を跨がずに受付されました。

その後、年金事務所から連絡が入りました。診断書表面に「既往症」という欄があるのですが、そこに「H●● 脳梗塞」と記載があったためです。

日本年金機構の事務処理手引きには、相当因果関係ありと取扱うことが多いものとして「事故又は脳血管疾患による精神障害」と規定されています。

簡単に言うと、「脳梗塞を患ったことが、うつ病の引き金になったのではないか」ということです。したがって、脳梗塞に関連した病歴・就労状況等申立書を別途提出してほしいとのことでした。

相当因果関係が認められると、初診日が変更されたり、最悪の場合は保険料納付要件(障害年金を請求する際には一定期間きちんと年金保険料を納付していることが条件となっている)を満たせずに請求できないことも起こり得ます。

当然、事務処理手引きの内容については事前に承知しておりました。しかし、いくつかの理由から脳梗塞の病歴・就労状況等申立書は提出しないと回答させていただき、障害年金センター(審査機関)の審査過程で申立書を整備するよう指示があった段階で対応することとしました。

審査の結果

障害厚生年金2級(次回の更新年:令和5年)で認定となりました。

あわせて、年金生活者支援給付金(年額6万円)も受給できます。

コメント

初めてご相談の電話をいただいてから、4か月弱という短期間で受給決定に至りました。一番の要因は、診断書の作成がスムーズだったことです。

脳梗塞との因果関係を審査機関から問われることもなく、提出したとおりの書類で受給が認められました。

もし、年金事務所から指摘された脳梗塞の病歴・就労状況等申立書を整備していたら、請求が完全に月を跨いでしまっていました。理由は申しあげられませんが、当初準備した書類のみで審査に通るとの確信がありました。

1か月分の年金が受給できるかできないかは大きな差です。経済的な不安が少しでも解消され、治療に専念していただける環境づくりのサポートができたことに安堵しました。

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